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北山 佳治; 野上 光博*; 人見 啓太朗*
Japanese Journal of Applied Physics, 63(3), p.032005_1 - 032005_6, 2024/03
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Physics, Applied)検出器の応答パターンを利用した新しいガンマ線イメージング技術を紹介する。この方法では、三次元状にランダムに配置された複数の遮蔽体キューブを使用する。これらのキューブで定義された領域内では、ガンマ線の入射方向に基づいて固有のガンマ線フラックスパターンが形成される。このパターンは、複数のシンチレーターキューブの応答パターンとして測定される。ガンマ線の入射方向と対応する検出器応答パターンを事前に測定することで、アンフォールディング法を用いて入射方向を推定することができる。Cs点線源を用いてシミュレーションを行った。その結果、10MBqのCs線源をイメージャーから3m離れた位置に設置した場合、約10の角度分解能で撮像できることがわかった。これらの結果は、我々の新しい方法が既存のガンマ線イメージング技術と同等以上の性能を有することを示唆している。この撮像法の応用としては、原子力発電所の廃止措置、核医学、セキュリティ、天文学などが考えられる。
北山 佳治; 野上 光博*; 人見 啓太朗*
KEK Proceedings 2022-3, p.46 - 53, 2023/01
街灯の光で夜道に映し出された自分の影の向きや形から街灯の位置を予想することができる。この考えをガンマ線イメージャーに応用したものはCoded apertureとして知られている。今回、立体的な遮蔽とシンチレータ結晶配置を持ったCoded Cube Camera - POrtable (C3PO)を発案した。C3POは鉛、シンチレータ、空乏でできたキューブを333のルーリックキューブ状にランダムに配置したもので、各シンチレータの出力は3次元影模様を作り出す。三次元影からアンフォールディングによって線源方向分布にもどる。今回、Geant 4を用いたシミュレーションでその特性や実現可能性を検討した。
宇佐美 博士; 森下 祐樹; 鳥居 建男; 杉田 武志*; 小林 育夫*
no journal, ,
日本原子力研究開発機構では、東京電力福島第一原子力発電所(1F)の廃止措置に係る放射性物質の効率的な除染技術開発の一環として、これまで主に個人・医療被ばく線量測定の分野において利用実績のあるOSL(Optically Stimulated Luminescence)線量計を応用した「線強度分布の可視化技術」の開発を行っている。OSL線量計は数10Gyまでの高線量場でも使用可能、かつ電源が不要であるという特徴を有しており、今後1Fの廃止措置を進めていくにあたりその開発意義は非常に大きいと考えられる。今般、OSL素子に対する照射諸特性試験とPHITSコードによるレスポンス解析、これらに基づくピンホールカメラの試作を行ったため、その結果について報告する。
北山 佳治; 寺阪 祐太; 佐藤 優樹; 鳥居 建男
no journal, ,
福島第一原子力発電所(1F)で働く作業員の安全確保のため、作業環境の放射性物質分布を測定できる技術が求められている。本研究では、既存のガンマ線イメージャーの欠点を補える新しいガンマ線イメージャーの開発に向けて、遮蔽体を必要としないガンマ線検出器の実現可能性をシミュレーションにより検討した。広範囲の放射性物質分布をイメージングする技術としてピンホールカメラとコンプトンカメラがある。ピンホールカメラは1イベントで線源方向を識別できるため、画像再構成が容易で今後定量測定に応用できる可能性がある。しかし遮蔽体を必要とするため総重量が重く遠隔測定には適さない。コンプトンカメラは遮蔽体を必要としないため小型軽量で遠隔測定が行える。しかし線源方向の推定に複数イベントが必要で、その際に描かれるコーンがノイズとなり画像のS/N比を下げている。我々は遮蔽体を必要としないピンホールカメラのような新しいガンマ線イメージャーを提案する。本研究では、その実現に必要となる遮蔽体を必要としない指向性ガンマ線検出器について、シミュレーションを用いて原理検証を行った。